
※登場人物は全て仮名です。とあるママの体験談を参考に作られています。
「全部に名前を書くの?これ全部?」
目の前に広がる入学準備用品の山を見て、私は思わず声が裏返った。体操服、上履き、給食袋、ハンカチ、靴下……そして算数セットの小さなおはじきたち。
世の中のママたちが口を揃えて言う「入学準備は大変」という言葉。今まで他人事だったその言葉が、まさに自分の現実となった瞬間である。
「よし、やるぞ!」
私は気合を入れて、ネットで人気だったアイロンプリントの名前シールを購入した。娘が選んだピンク地に可愛いウサギのイラスト入りシール。これなら娘も喜ぶはず。
説明書?ああ、軽く見たよ。「アイロンで押し当てるだけ」って書いてあったし、簡単そうだし。
この油断が、すべての始まりだった。
一週間後の洗濯日。干しながら体操服を見た私は、異変に気づいた。
「あれ?ウサギ……消えた?」
名前タグには文字の残骸だけが残り、あの可愛らしいウサギは跡形もなく消失していた。いや、正確には「どこかに移動した」のだ。
その日の夜、夫が青い顔で帰宅した。
「……職場のトイレで、パンツにピンクのウサギが貼りついてるって同僚に言われた」
沈黙。
「しかも、よりによって大事な会議の前に」
私は何も言えなかった。夫の苦虫を噛み潰したような表情が、すべてを物語っていた。
そして2週間後。今度は給食袋のシールだった。
「ママ、これ誰の?」
娘が指差す先には、「さくら」のはずが「さ□ら」になった名前シール。洗濯のたびに文字が薄くなり、ついに判読不能レベルに達していた。
さらに追い打ちをかけたのが、上履き袋のクマのキャラクター。洗濯を繰り返すうちに、なぜか目の部分だけが異様に残り、まるで呪いのぬいぐるみみたいな姿に変貌していた。
「ママ……これ、こわい」
娘の言葉に、私も頷くしかなかった。確かに怖い。予想外の方向で怖い。
保育園のお迎えで会ったママ友・美咲さんに愚痴をこぼすと、彼女は笑いながら言った。
「ノンアイロンのお名前シール使えばいいのに。アイロンいらないから楽だよ」
えっ、そんなものがあるの?
「でも……」私は不安を口にした。「ノンアイロンシールって、剥がれるって聞くけど」
「う〜ん、使い方次第かな?私もちょっと心配で色々調べたんだよね」
家に帰ってすぐ、私はスマホで検索を始めた。「ノンアイロンシール 剥がれる」「お名前シール 失敗しない方法」……。
そして見つけたのが、ある記事だった。
『アイロン不要の名前シールは剥がれる?実際に10回以上洗ってみた』 (https://note.com/kurashi_idea_127/n/nb36566f9fe52)
書いているのは、私と同じように入学準備で苦労したママさん。しかも実際に検証している。これは信頼できそう。
記事を読み進めると、ノンアイロンシールが剥がれる原因と、剥がれにくくするコツが詳しく書かれていた。
貼り方が甘いと剥がれる
ただペタッと貼るだけじゃダメ。しっかりと空気を抜きながら、端から中心に向かって圧力をかけて密着させる必要があるらしい。私、今までなんとなく貼ってた……。
貼ってすぐ洗濯すると剥がれる
貼り付けた後は最低24時間置いてから洗濯すること。シールが布地にしっかり馴染むまで時間が必要なんだとか。せっかちな私には試練だけど、パパのパンツ事件を繰り返すよりはマシだ。
汚れた面に貼ると剥がれる
貼り付ける面は清潔に。新品の服でも、できれば一度洗濯して繊維くずや汚れを落としてから貼るのがベスト。なるほど。
洗濯の仕方で剥がれる
裏返してネットに入れて洗濯。洗濯機の壁と直接擦れると、どんなに良いシールでも剥がれやすくなる。ひと手間だけど大事なポイント。
食洗機に入れると剥がれる
プラスチック容器に貼ったシールは、高温と水圧に耐えられない。お弁当箱や水筒は手洗い推奨。
「なるほど……コツがあるんだ」
私は目から鱗が落ちる思いだった。
早速ノンアイロンシールを購入。今度は娘が選んだ猫ちゃんのデザイン。シンプルで可愛い。
そして、参考記事で学んだコツを実践してみる。
まず、体操服を一度洗濯して乾かす。清潔な状態を確保。次に、シールの位置を慎重に決めて、端から空気を抜きながらしっかりと押さえる。指が痛くなるくらい、何度も何度も圧をかける。
「ママ、まだ〜?」
「もうちょっと待ってね。今回は絶対失敗しないから」
そして最大の試練、24時間待機。洗濯機の前を通るたびに「まだダメ、まだダメ」と自分に言い聞かせる。
24時間後、ついに初洗濯。裏返してネットに入れて、ドキドキしながらスタートボタンを押す。
noteの記事を参考に、私も同じように検証してみることにした。
1回目の洗濯後……シール、無事!
3回目……まだ大丈夫。文字もクリア。
5回目……リボンのデザインも綺麗なまま。
そして10回目の洗濯を終えた体操服を、私は緊張しながら確認した。
「……完璧!」
シールはしっかりと貼りついたまま。文字は鮮明。デザインも崩れていない。そして何より、夫のパンツにもどこにも、謎のシール転写は発生していない。
「やった……やったよ!」
思わず洗濯機の前でガッツポーズ。たかがお名前シール、されどお名前シール。この小さな勝利が、どれほど嬉しいことか。
振り返ってみると、最初の失敗は「お名前シールを適当に扱ってしまった」ことが原因だった。説明書をちゃんと読まない、貼り方が雑、すぐ洗濯してしまう……。
でも、ネットで正しい情報を見つけて、そのとおりに実践したら、ノンアイロンシールでも十分使える。むしろアイロンを出す手間がない分、楽かもしれない。
大事なのは※ここメモするところーーっ
・しっかり密着させる(手が痛くなるくらい押さえる)
・24時間は洗濯を我慢する
・清潔な面に貼る
・裏返してネットに入れて洗う
・プラスチック容器は手洗い
このひと手間が、結果を大きく左右する。
今では小さな算数セットのおはじき一つ一つにも、コツを守りながらシールを貼っている。確かに時間はかかる。でももう怖くない。
「ママ、こんどは猫ちゃんが可愛く残ってる!」
娘の笑顔が何よりの励み。
入学準備は確かに大変。でも、同じように奮闘しているママたちがいて、その経験をシェアしてくれている。記事を書いてくれた方には、本当に感謝している。あの記事がなければ、私はまた失敗を繰り返していたかもしれない。
パパのパンツ事件も、今では笑い話。「もう二度とあんな恥ずかしい思いはごめんだ」と言う夫のために、私は完璧な名前付けを目指す。
お名前シール一つとっても、正しいやり方を知っているかどうかで結果は全く違う。
ノンアイロンシールは剥がれる?その答えは「使い方次第」だった。
入学式まであと3週間。ランドセルを背負った娘の姿を想像しながら、私は残りの準備を進める。
戦いは終わった。いや、正しくは「勝ち方を知った」のだ。
全国で入学準備に奮闘しているママたち、一緒に頑張りましょう。そして困ったときは、ネットで情報を探してみてください。きっと、同じ道を通った先輩ママたちの知恵が見つかるはずだから。